SUBARU BRZ FANCLUB CLUBREEZE

CLUBRZ on Social

  • Facebook
  • Twitter

「BRZ全日本ラリーポディウム獲得記念!全日本ラリー観戦入門」

2013年7月31日

■7/26~28に開催された全日本ラリー第5戦 モントレーin群馬2013では、APRC(アジアパシフィックラリー)などの国際格式ラリーでも活躍中の鎌田 卓麻選手が自身初となるBRZで参戦し、見事クラス3位でポディウムを獲得した。

これを記念して、今回は多くのBRZファンの皆さんにもラリーをより楽しんでいただくために、全日本ラリーの観戦入門をご紹介しよう。

ラリー競技とは、サーキットで直接ライバルと戦うバトル形式ではなく、1台づつSSと呼ばれるコースを走るタイムアタック形式となる。
中でも全日本ラリーは文字通り、国内のトップドライバーが日本全国で腕を競う競技として気軽に観戦できるのが特徴だ。

ラリーの観戦は、決められたギャラリーポイント(スペクテイターポイント)と呼ばれる観戦エリアでその迫力の走りを楽しむことになる。目の前を全開走行する競技車はあっというまに通過していくため、次に競技車がやってくるまでの間はラリーパークなどでのトークショーや、出展ブースを見学したりして楽しむことができる。

今回のモントレーin群馬2012では、スバルブースに昨年のニュルブルクリンク24時間レースに参戦したWRX STI、98年のWRC参戦車両、インプレッサWRカー、BRZワンメイクレース仕様車、WRX STI tS typeRA、XV HYBRIDの展示をはじめ、ワンメイクレース仕様車のデモランのほか、ニュルブルクリンク24時間レース参戦車の同乗体験まで行われた。

全日本ラリーの開催地では、地元自治体が協賛しているところも多く、まさに町を上げてのお祭りともいえる。
そのため、ラリーパークでは地元の名産品などを扱う露天も多く出店しているため、観光要素も楽しむことができるのだ。

ほかにも自動車メーカーや、アフターパーツメーカーの出展も多く、今回のモントレーin群馬2013では参戦車両のなかでも注目のBRZ/86 のデモカーを出展しているメーカーも数多く見受けられた。

全日本ラリーを観戦する前に頭に入れておきたいものがクラス分け。車両の排気量などにより、4つのクラスに分けられている。

JN4クラス  3000cc以上 ターボ車の場合係数が掛けられるので、スバル WRX STI、三菱 ランサーエボリューションなどはこのクラスとなる。

JN3クラス  1500㏄超/3000㏄以下 BRZ/86はこのクラスとなる。車種はこのほかマレーシア車のプロトン サトリア・ネオやホンダ S2000、インテグラTypeR、シビックTypeR、ロータスエキシージ、トヨタ スターレットGTターボなど様々な車種がエントリーしている。

JN2クラス  1400㏄超/1500㏄以下の2WD車 トヨタ ヴィッツ、マツダ デミオといった国産を代表するコンパクトハッチが戦うクラス。

JN1クラス  1400㏄以下 代表的なマシンとして、ダイハツ ストーリアX4、日産マーチをはじめ、今回のモントレーでは軽自動車のダイハツエッセや、ロータリーエンジンのRX-8が参戦した。

ラリー競技を観戦するにあたり、是非覚えておきたいのが専門用語。これを覚えているだけでラリーを100倍楽しむことができる。

そこでラリーで使われる専門用語をいくつかご紹介しよう。

■アイテナリ― ラリー行程表のことで、ラリーの進行を分刻みの日程表にしたもの。TCやSSの通過ルートや距離、ターゲットタイム、通過予定時刻などが記されている。競技は総てこのアイテナリーに従って進行される。全日本ラリーの場合開催される大会ホームページなどからPDF形式でダウンロードすることが可能な場合が多い。

■ラリーHQ(ヘッドクォーター)  大会期間中、ラリーのすべての指揮・運営が行われる大会本部のこと。すべてのオフィシャルへの指示や、競技車の進行状況、競技結果の集計・リザルトの発行などが行われる。

■00(ゼロゼロ)カー・0(ゼロ)カー 00カー・0カーはオフィシャルコースカーのひとつで、00カーは競技車より30分先行、0カーは15分先行して全て競技区間を走行し、安全上の最終確認を行い、これをラリーHQに報告する役割を持つ。これらのオフィシャルコースカーは、サイレンを鳴らすなどして、競技車がやってくることをスペクテーターエリアに知らせる役割も持つ。今回のモントレーin群馬2013では00カーにSUBARU XV HYBRID、0カーにBRZが採用された。

■スイーパーカー オフィシャルコースカーのひとつで、競技区間を最終競技車の後ろから追いかけるように走らせる車のこと。SSでコースアウトしてしまった競技車がいないかなどといった最終確認をするのが主な役割をもつ。

■スペクテイター 観戦者のことで、わかりやすくギャラリーと呼ばれることもある。

■レッキ 主催者が定めた日程で、走行するSSを下見することが可能だ。この下見走行をレッキと呼ぶ。レッキ中は速度制限が設けられ、本番のような速い速度で走行するものではない。また、レッキでドライバーが次のコーナーまでの直線距離やコーナーの曲率などを読み上げ、コ・ドライバーがそれをノートに記録するのが主な目的だ。通常レッキ走行できる回数は2回。ペースノートの完成度によりラリーの勝敗を左右するといわれるほど重要な走行だ。

■ペースノート レッキ走行で、コーナーの曲率、ストレート区間の距離、路面状況などを記したノートで、競技の際はこのノートをもとに走行する。

■ コ・ドライバー 競技車の助手席にのり、ペースノートを読み上げたり、ドライバーのサポートを行ったりする役割をもち、その仕事の多さから、敬意を払いナビゲーターではなく、コ・ドライバー(副ドライバー)と呼ばれる。名前だけでなく、規定上はドライバーと運転を変わることもできるが、実際は運転を交代することはほとんどなく、ドライバー、コ・ドライバーそれぞれが専門の役割を果たす。

■グラベル 未舗装路のステージのこと。グラベルステージでの観戦では走り去る競技車の巻き上げる埃や砂利が飛んでくることもある。

■ターマック 舗装路のステージのこと。グラベルに比べ埃が舞うこともないので、観戦が楽であり、ラリー観戦初心者には向いている。また、車高の下げられたマシンは市販の仕様により近い状態となる。

■レグ ラリーを構成しているパートの単位で、一般的には1日あたりの単位となる場合がほとんどだ。レグとレグの間には一定の停止時間(最低6時間)が設けられ、1つのレグにおける運転時間も最大18時間を超えないよう定められている。

■SS(スペシャルステージ) ラリーのタイムトライアル区間のこと。このSSでの走行タイムの合計でラリーの勝敗が決まる。SSはオフィシャルによって完全に封鎖される。通常SSスタート地点とSSフィニッシュ地点に設置された測定計器によって計測され、1/10秒単位までが成績に反映される。 また2台同時に競技車を走行させる「スーパースペシャルステージ」が設けられることもある。

■TC(タイムコントロール) ラリーのルート上に複数のオフィシャル、赤や黄色の時計マークの看板があるところがTC。競技車両はTCから次のTCまでの区間を、与えられた指示通りのルートで、指示通りの時間で走行しなければならない。選手はTCでオフィシャルにタイムカードを提出して通過時刻を記入。オフィシャルはこれを控えてリザルト本部で集計するのだ。TCに到着するのが指示された時間より早すぎても遅すぎても、ペナルティとなるため、SSのタイムの速さだけでなく、TC間の移動の正確さも重要な要素となる。全日本ラリーではCP(チェックポイント)と呼ばれる場合もある。

■リエゾン TC間の移動に使用するルートのこと。別名ロードセクションとも呼ばれる。リエゾンはロードクローズされていない一般道を走行することがほとんどで、交通法規を遵守し、法定速度内のスピードで走行しなければならない。したがって競技に参加する車両はナンバー付き車両であることが前提となる。

■サービスパーク 競技車両の整備をはじめとしたサービスのために設けられた場所のこと。競技車両はサービスパーク以外の場所でメカニックを初めギャラリーなどからも、いかなる整備を受けることはできない。走行中にトラブルがあった場合、選手自ら修理作業を行うことは可能であるが、選手以外の手を借りると失格となる。またサービスパーク内であっても、予め整備のために登録されたメカニックなどでなければ作業を行うことはできない。
1回のサービス所要時間は制限されているため、サービスパークの入口と出口にはTCが設置されており、指定時間内に作業を終えサービスパークを出ることができないと減点の対象となる。メカニックがいかに迅速に作業をできるかといったことも勝敗を決める大きな要因の1つといえる。サービスパークへの入場は、競技によって異なるため、事前に確認が必要だ。もし入場が可能であればぜひ主催者や参加者の邪魔にならない範囲でサービス風景を見学することをおすすめする。チームに余裕がある時間帯であれば、選手にサインを求めたり、写真撮影をお願いできるチャンスがあるかもしれない。ただし、競技の邪魔にならぬように行動することが大前提だ。

観戦に関しては、ギャラリーエリアは舗装のされていない斜面や草むらといった場所も多いので、ある程度の装備が必要だ。

例えば今回のモントレーではゲリラ豪雨に見舞われたが、観戦に慣れたスペクテイターは雨具の用意を怠っていなかった。
観戦には、雨具やトレッキングシューズのような靴、場合によっては長靴などの装備も必須といえる。さらに、林道内での観戦が多いので、虫よけスプレーなども重宝する。もちろん飲食に関しては各エリアの指示に従わなくてはならないが、全日本ラリーに関しては先述の露天販売などで購入したものや、お菓子や飲み物を持ち込むことが可能な場合が多い。特に炎天下の観戦では水分補給を怠らない様にしたいところだ。

全日本ラリーでは選手との距離も近く、セレモニースタートではドライバーやコ・ドライバーがギャラリーとハイタッチをしながら出発する光景もみられた。
サービスパークでは間近に競技車両を整備する様子を見ることもでき、ルールとマナーを守れば選手やチームと一体となって参戦している気分になれるのも全日本ラリーならではといえる。

競技車両の迫力の走りはもちろん、ラリーパークのメーカー、ショップ出展から、地元名産品の出店、開催地によってはデモランや同乗走行など楽しめる要素が満点の全日本ラリー。今シーズンは残り4戦。 是非とも観戦に出かけてみてはいかがだろう?その走りと、お祭りのような盛り上がりを見せる大会に、きっとまた観戦に出かけたくなるはずだ。

(Text&Photo by 井元 貴幸)

第6戦 8/23-25   第49回大阪電通大チャリティラリー丹後半島ラリー2013         京都     ターマック
第7戦   9/27-29   RALLY HOKKAIDO                            北海道   グラベル
第8戦   10/11-13    第41回M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ2013                岐阜       ターマック
第9戦  10/25-27    新城ラリー2013                             愛知       ターマック

 

BRZオーナーの間でひそかなブームとなっているAWDメーターとは?

2013年7月26日

■皆さんは、一部のBRZオーナーの間で、ひそかにブームとなっているAWDメーターというものをご存知だろうか?

■BRZはFRなのにAWD?と、思った方も少なくないだろう。AWDとはAll Wheel Drive(オールホイールドライブ)の略ではなく、このメーターを作っているメーカー、アートワークス・デワの略である。

■AWDは、元々ロードスターオーナーである出羽さんが、自身の愛車用にメーターパネルをデザインして制作したのが起源である。

このロードスター用のメーターパネルの販売を始めた所、国内はもとより、海外からも多くの受注をうけるほどの人気製品となり、ロードスターオーナーの間では、AWDメーターを知らない人はいないといわれるほどの人気を博している。

■ロードスターをはじめ、RX-8やCX-7といったマツダ車を中心に制作していたメーターパネルだが、なぜBRZ用のパネルの制作を始めたのか?じつはロードスター用メーターパネルの完成度の高さに目を付けたアフターパーツメーカーが、自社のデモカーである86用に出羽さんに制作を依頼したのがきっかけである。

■このアフターパーツメーカーより、86用メーターパネルとしてOEM販売を開始するにあたり、兄弟車であるBRZ用をAWDオリジナルとして発売を開始した。現在ではオリジナルデザインのものも、86ユーザーからのリクエストに応え、デジタルスピードメーターの有無を問わずラインナップされている。

■AWDメーターはアッセンブリ―形式ではなく、ユーザーが直接AWDに持ち込み、または郵送にて送ったメーターアッセンブリ―を分解。現在発売中の5種類のグラフィックパネルのなかからユーザーが選択したものと、純正パネルを交換するといった製造方法だ。

■メーターアッセンブリ―はユーザーの車両に付いている物を使うため、走行距離などもそのまま継続されるので、メーター交換による走行距離不明車扱いになる心配もないそうだ。

■製造は一つ一つ出羽さんの手作業で行われ、計器という精密部品であることからも、慎重かつ丁寧な作業で製造されている。しかしロードスター用で一ヶ月あたり約100台、BRZ/86用で約40台を製造しているというだけあり、作業はスムーズかつスピーディーに行われていた。

■グラフィックパネルのデザインは、本職がデザイナーである出羽さんのオリジナルデザインで、いずれのバーションもこだわりが込められたパネルとなっている。

■出羽さんによれば、一番のこだわりは目盛り部分。センターにタコメーターをレイアウトする86/BRZ用のメーターでは、街中で頻繁に使う4000rpm以下より、サーキットやワインディングで積極的に使用する4000rpm以上の目盛りの見やすさにこだわっているそうだ。

■AWD製グラフィックパネルはいずれのデザインもBRZ/86にマッチしたスポーティなデザインで、どの仕様を選択してもその完成度の高さから満足度はかなり高い。なかでもVersionVTGはグラフィックシートにメタルパネルをプラスしたもので、見た目のメタル感が走りへの意欲をそそる。

■Version VTGを購入したひとには、是非とも体感してほしいのがレインボー反射。メタルパネルに太陽が反射するとステアリングコラムなどが七色に輝く美しい光景を目にすることができる。
元々オープンモデルであるロードスターでは比較的お目にかかることができるレンイボー反射だが、クーペボディのBRZでは太陽光が絶妙な角度で入射してこないとレインボー反射にめぐり会うことはできない。しかし、レインボー反射を求めてワインディングに繰り出してみるのもAWDメーター装着ならではの楽しみだ。

■AWDメーターのもう一つの楽しみともいえるのが、夜間のイルミネーションの美しさだ。昼間のグラフィックデザインとは一味違うもう一つの顔ともいえる。もちろん昼間のグラフィックデザイン同様、純正のイルミネーションカラーを活かした配光などを考慮したこだわりの美しさだ。

■AWDではグラフィックパネルのほか、針センターキャップやメインメーターリング、ACリング、ベンチリングといったアクセサリーも用意されており、好みに応じて組み合わせることが可能だ。

これらのアクセサリーは全てアルミ削りだしで、ダイヤカットが施されVersion VTGのパネル同様、美しい輝きを放つ。削りだし加工においてはカメラの試作品の製作などを行っている業者によるもので、精密機器を取り扱う業者だけに、その精度も実にハイレベルである。

■針センターキャップはその名の通り指針の軸の部分をカバーするキャップだ。指針の軸形状からBRZ専用となり、残念ながら86には対応していない。あらゆるグラフィックのデザインにマッチしており、メーターの質感を向上させる。

■メインメーターリングはタコメーターに備わる純正のリングを取り外し交換することで太陽光の反射や夜間のイルミネーションの反射で様々な変化を愉しむことができる。レインボー反射を体験したい人には欠かせないアイテムだ。

■ACリングはメーターパネル同様インテリアで目に付く部分であり、視覚的にも高品位な仕上がりには目を見張るものがある。装着は純正ダイヤルの上からはめ込むだけの簡単装着で、両面テープも接着剤も必要としない。精度の高いアルミ削りだしならではのパーツだ。

■ACベンチリングは純正リングを取り外し両面テープで装着する仕様となっている。メインメーターリングやACリングとの調和も抜群で、インテリアの質感を向上させる。

■AWDで驚かされるのが、その支払い方法だ。メーターのデザイン、組み立て、発送、決済、全て出羽さん一人でこなしているため、カード決済などには対応していない。しかし、通常の通信販売であれば、カード決済に対応していない場合、入金確認後に商品の発送となるのが一般的だ。しかしAWDでは、いちはやく現物が欲しい!と願うユーザーのために、なんと商品を発送してユーザーの手元に届いてから10日以内に入金するシステムなのだ。

■入金後に発送するシステムだと、商品を注文しても、そのやりとりで約1週間はかかる。しかし、注文した方はすぐに商品がほしい。自分が商品を注文した時も同じだと出羽さんは語る。

それなら、商品を先渡しした方が、お客さんにとっていいじゃないかと、亡き奥様から言われて始めたシステムだそうだ。

もちろん完全にユーザーとの信頼関係がなければこのシステムは成り立たない。通常の通信販売とは真逆のシステムである相互信頼の製品先発送システムもAWDのこだわりである。

■デザインにおけるこだわりから、代金の決済方法まで、購入した人が満足できるモノづくりこそがAWDの最大の魅力といえるのではないだろうか?AWDでは、直接お店に出向き購入した人には取り付けも無料で行ってくれる。通販で購入した場合でもメーターの脱着方法からグラフィックシートの交換法まで分かりやすく記載されたマニュアルが付属するので、カスタマイズ初心者でも安心して購入することができる。しかし、もしAWDへ行くことができるのであれば、是非出羽さんの元を訪れ、クルマに対する想いや、メーターに対するこだわりを直接聞いていただきたい。きっと心の底から共感できるに違いない。

AWDでは今後もBRZ/86に対応したメーターデザインが続々と登場予定なので、こちらにも期待したい。

※AWDを訪れる際には事前にメール又は電話で必ず希望商品在庫の確認をして下さい。又、AWDの場所は入り組んだ住宅地になっているので事前にホームページにて場所の確認しておくことをおすすめします。

ART WORKS DEWA(アートワークス デワ)

〒226-0021・神奈川県横浜市緑区北八朔町(きたはっさくちょう)1967-2
電話:045-508-9175 FAX:045-508-9176 e-mail:awd@mti.biglobe.ne.jp URL:http://www2s.biglobe.ne.jp/~AWD/outline.html

(Text&Photo by 井元  貴幸)

BRZファン待望のワンメイクレース!GAZOO Racing 86/BRZ Race開幕戦レポート!

2013年7月19日

 

■7月13日、14日の2日間に渡り「GAZOO Racing 86/BRZ Race」の記念すべき開幕戦が富士スピードウェイで開催された。 事前のアナウンスでも多くのマシンが参戦すると言われていたが、最終的なエントリー台数はJAF戦としては異例の82台。

参戦するドライバーは、スーパーGTで活躍している現役から往年の名ドライバー、ワンメイクレースのシリーズチャンピオン経験者などのトップレベルから免許を取って間もない20代や50代後半のドライバーまでプロアマ問わずに幅広く集まった。 アマチュアはプロドライバーとのレベルの差を確かめるチャンスでもあり、プロドライバーはプライドに賭けても負けられないと語っていて、それぞれに目標や楽しみ方を持っていた。

参戦車両は、改造範囲を抑えたナンバー付きのN0規定のマシン。ナンバー付き車両なので自走してサーキットへ来ることもでき、改造範囲も狭いので参戦コストが抑えれるため、誰でも気軽にレースができるようになっているのが特徴。 エントラントが選ぶことができるのはタイヤ銘柄やブレーキパッドといった限られたパーツのみで、その他はイコールコンディションになる。セッティング幅も車高やスプリングのプリロードなどになるため、ドライバーの腕がタイムに直接影響することも、エントラントから好評を集めている部分だ。

BRZ勢で注目すべきは、スーパーGTにBRZで参戦している佐々木孝太選手が率いる「KOTA RACING」。オーディションで選ばれた2名を含めた総勢6人の体制で86/BRZレースに挑む。 佐々木孝太選手によると、このレースが始まると聞いたときに自分で参戦しようと思ったそうだが、日程がスーパーGTと被っていることが多く断念。たが、若手育成のためにもチームとして参戦することを決めたという。 その他にもD1ドライバーの松川和也選手(No.57)やスバルディーラーがサポートするチームなど、今回の開幕戦には合計10台のBRZがエントリーした。

迎えた13日の予選は、A組とB組に分かれ、それぞれ15分間のタイムアタックが行われた。ふたつの組に分かれているとはいえコース上には41台のマシンが一挙に入ることになるので、クリアラップを取ることはほぼ不可能。いかにタイヤのグリップを最大限に発揮できるタイミングとアタックラップを合わせるが、ドライバーの腕の見せどころとなった。

並み居る強豪を抑えて予選トップを取ったのは、シビックやインテグラなどのワンメイクレースに参戦していた後藤比東至選手(No.5)で、タイムは2分8秒275。上位陣に名を連ねたのはスーパーGTで活躍するドライバーよりもワンメイクレースで活躍するドライバーが多く、トップドライバーもマシンの特性やドライビングスタイルを掴むのに苦労していた。

BRZ勢のトップは、KOTA RACINGから参戦する近藤翼選手(No.61)がクラス6番手で総合12番手、同じく元嶋佑弥選手(No.610)が7番手で総合14番手となった。富士スピードウェイのフルグリッドは45台のため、46位以下の37台は決勝前に行われるコンソレーションレースへ進むことになった。
前日の予選と同様に曇空となった14日は、早朝の7時45分から5周のコンソレーションレースが開催された。予選よりも路面温度が低くコンディションが良かったことやドライバーがマシンへの習熟度を増したこともあり、予選よりも好タイムで走るドライバーが続出。白熱した戦いが繰り広げれ、セカンドグリッドからスタートした遠藤浩二選手がトップでチェッカーを受けた。

コンソレーションレース終了から約2時間を経て始まった決勝は、ポールポジションの後藤選手が出足良く加速したが3番手からスタートした山野直也選手(No.7)が1コーナーで後藤選手のアウトから並び掛け、立ち上がりでトップを奪取。中段、後方もきれいなスタートを見せ、1コーナーを無事にクリアしていく。トップを奪った山野選手は、前半が勝負どころと考えていたというように猛プッシュを続け、2番手集団との差を徐々に広げる。中盤になり一時は2番手集団から追い上げを受けた山野選手だったが、最後は後方との差をコントロールしながらトップチャッカーを受け、見事86/BRZレースの初優勝者となった。

BRZ勢のトップとなったのは8位でフィニッシュした近藤選手。FCJなどのフォーミュラレースやポルシェカップに参戦している近藤選手は、市販車に限りなく近いBRZの挙動に最初は慣れなかったそうだが、練習走行や予選、上位陣とバトルを行ったレースを経験し、速く走らせるコツが少しは掴めたという。なので、次戦以降はさらなる上位進出への期待がかかる。 同じくFCJなどのフォーミュラレースの経験を持つ元嶋選手も10位でチェッカーを受けた。初戦ということで、探り探りな部分はあったというが、KOTA RACINGは幸先の良いスタートを切ったといえるだろう。

初年度は7戦が予定されている「Gazoo Racing 86/BRZレース」。第2戦は7月27日、28日の2日間にかけてスポーツランドSUGOで開催される。

(text by 真鍋 裕行)

 

7/14「CLUBRZミーティングin SUBARU DRIVING DAY」 ミーティングレポート

2013年7月17日

■7月14日(日)千葉県袖ケ浦フォレストレースウェイにて、「SUBARU DRIVING DAY」が初開催された。このイベントはBRZを対象としたサーキット走行体験プログラムで、FRスポーツカーであるBRZの走りを基本から学べるカリキュラムとなっている。

■事前に募集された40名の定員はすぐにいっぱいとなり、参加者は抽選となった。この応募の多さからも運転技術を磨きたいと思うオーナーが多いことがうかがえる。
残念ながら抽選に外れてしまったオーナーや、まずはそのレッスンの様子を見てみたい!といったオーナーも楽しめるようCLUBRZミーティングも併催された。

■講師にはCLUBRZ部長の河口まなぶに加え、スーパー耐久シリーズで活躍中の松田 晃司選手と、全日本ラリー選手権で活躍中の鎌田 卓麻選手の2名のプロドライバーという豪華な顔ぶれだ。

■この日のメニューは定常円旋回と、レーシングコースでプロドライバーによる先導付走行。さらに同乗体験走行も行われた。

■開会式が行われた後は、路面に水が撒かれた特設コースにて定常円旋回の練習からスタート。まずはプロドライバーによるお手本を披露。選ばれし40名のBRZオーナーはその走りを見てイメージトレーニング。一見簡単そうに見える定常円旋回だが、体でクルマの動きを感じながら繊細なステアリング操作とアクセルワークが要求される。

■参加者はコースに入り、松田選手と、鎌田選手から無線で指示を受けながら実際にチャレンジ!途中河口部長も参加者の助手席に乗り込み直接レクチャーするシーンもあった。
1本目の走行を終えた参加者からは「思った以上に難しい!」「見るのとやるのは大違いですね」といった声も聞かれ、定常円旋回の難しさを実感していたようだ。

■会場ではレッスンが行われたほか、見学者やレッスン参加者の空き時間も楽しめるようメーカー、ショップの出展も行われた。

■STIからは登場したばかりのWRX STI tS TYPE RAとSTIパーツを装着したBRZが展示されたほか、WRX STIの生みの親でもある森 宏志さんもお見えになった。オーナーがカスタマイズしたBRZには、森さんも興味津々の様子であった。

他にもPROVAからパーツ装着されたBRZの展示、ZERO/SPORTSからCLUBRZでも紹介したデモカー「BRZ CZS」の展示および物販、LIBERALからはCLUBRZステッカーが貼られているデモカー「Baruta」の展示および物販が行われた。

さらに車高調でお馴染みのTEIN、スポーツシートのBRIDEからも展示が行われ、実際にパーツやデモカーに触れたり、ショップ担当の方々とカスタマイズの相談をする参加者も見受けられた。さらにブレーキのプロフェッショナルであるENDLESSによるブレーキ診断も実施された。

出展のなかでは、CLUBRZ号に装着されたミシュランパイロットスポーツ3を試乗する企画もあり、オーナーからはタイヤの比較試乗ができるとあって、好評であった。

■ 昼食をはさんだ後はレーシングコースでの先導付き走行と、引き続き定常円旋回が行われた。

レーシングコースでの走行には、先導車に松田選手が乗り込み走行した。レーシングコースでは5台1組で走行し、先導車付き走行とはいえ、無線で各コーナーの攻略法などの指示を受けることでプロドライバーの正確なライン取りなどを勉強することができたようだ。

■一方、定常円旋回では引き続き午前中に受けたレッスンを反復することで、メキメキと上達していく参加者が数多く見受けられた。さらに、鎌田選手の同乗走行も行われ、プロの走りを真横で体感することで、 さらにレベルアップにつなげることができた参加者もいたようだ。同乗走行はサーキットプログラムの参加者以外にも体験してもらうことができた。

■最後のプログラムはプロドライバーのレーシングコース同乗体験が行われ、そのハイスピードな走りと高度なテクニックに驚いた参加者も数多くいたようだ。

■イベントの締めくくりには、協賛各社から豪華プレゼントを懸けたじゃんけん大会が行われた。このじゃんけん大会にはなんとLIBERALのBRZ用リヤバンパーという超大物も登場!会場にいた一同を大いに沸かせた!

■今回のイベントでは、プロドライバーのお手本走行を見学し、無線での指示を受けながらドライビングの基本を学べるほか、プロドライバーの同乗走行を体験することで、「見て・聞いて・体感して」学べるプログラムとなっていたので、より理解しやすいカリキュラムだったといえる。

■閉会式では今後も引き続き「SUBARU DRIVING DAY」の開催が行われる予告があり、BRZオーナーには目が離せないイベントとなりそうだ。

(Text &Photo by井元 貴幸)

 

【インプレ】ミシュラン・パイロットスポーツ3×スバルBRZ #CLUBRZ

2013年7月9日

スバルBRZに標準装着されるミシュラン・プライマシーHPは、多くの人が誤解している。トヨタ86/スバルBRZ登場時に、多くのメディアがこのプライマシーHPをして「エコタイヤ」と記したため、誤認識が生まれたわけだが、実際にはHPはハイパフォーマンスの略。以前のメルセデスベンツSクラスが標準装着した経緯すらある。そして位置づけとしても、ミシュランのプロダクトの中ではトータルバランスに優れたモデル、とされている。

プライマシーHPはスバルBRZにとても良くマッチングしており、乗り心地/ダイナミクス/静粛性/ウェット性能/燃費性能とあらゆる面に貢献することを考えると、他に代わるものがない製品だといえる。

スバルBRZの軽快ながらも安定感あるハンドリングを支え、走る楽しさ気持ち良さを素直に表現してくれるタイヤだといえる。それに何より、ヘンなクセがないからクルマの味わいがそのままドライバーに伝わってくる。

そんなプライマシーHPから次のタイヤへの履き替えを考えた時、候補として挙げたいのが今回試したパイロットスポーツ3だ。

パイロットスポーツ3はその名の通り、スポーツ系のクルマに適した性格が与えられた製品である。しかし! ここでも勘違いしていただきたくないのは、だからといって他の性能を犠牲にしているわけではない、ということ。多くのスポーツタイヤの場合、乗り心地や静粛性が犠牲になり、燃費に関しては悪化する可能性が高い。しかしパイロットスポーツ3はそうしたスポーツタイヤのネガティブな面を払拭している製品だ。

実際にスバルBRZに、ノーマルの215/45R17サイズを履かせて、一般道、ワインディング、サーキットと様々に走ってみたが、結論としてはプライマシーHPから履き替えるのに最も相応しい一本といえる。

まず履き替えてみて最初の印象としては、路面からの当たりがまろやかに感じる点に驚かされる! 通常、スポーツタイヤならば突き上げも厳しいと予測するのだが、パイロットスポーツ3は路面と優しくコンタクトする。おまけに静粛性もほとんど変わらないどころか、場所によってはパイロットスポーツ3の方が静かに感じるシーンすらある。なので普段使いで思いのほか快適なタイヤであることを感じるのだ。

さらに真骨頂ともいえるスポーツ性に関してだが、まずワインディングでのハンドリングに重厚感が増すことを確認できるはずだ。路面をしっかりととらえ、それをフィーリングとしてもドライバーに伝えてくれる。その様子は、チューニングを施したかのような感じすら受ける。

そしてサーキットでは、まず単純にコーナリング限界が上がる。しかし単に速くなるのではなく、ステアリングを通してドライバーに伝えるべき情報は一層色濃いものとして届けられている点が良いところ。また、リアタイヤがスライドした時のスライドしていく様も明確に手のひらに伝わる。しかもスライドしていく推移には唐突なところがないため、コントロールもしやすい。またタイヤ自体のグリップ力の高さで、最終的にスライドを収める方向にしっかりと収束していくため、サーキットでも安心して操ることができる。

またミシュランらしいと感じるのは、やはりウェット性能の高さ。プライマシーHPもウェット性能は相当に優れており、雨の日でも安心してステアリングを切っていける安心感を提供してくれる。

パイロットスポーツ3は、そうしたプライマシーHPの良さを受け継ぎつつ、さらに1ランク上ともいえる安心感を届けてくれる。それはまるでスポーツタイヤであることを忘れさせるほどだ。

そうしてこの数ヶ月に渡ってパイロットスポーツ3を試してきたわけだが、結論としてとてもバランスに優れたスポーツタイヤだといえる。トータルパフォーマンスを謳うミシュランだが、このパイロットスポーツ3はまさにその言葉を痛感するタイヤである。

今回紹介したこのパイロットスポーツ3は、7月14日に袖ヶ浦フォレストレースウェイにて開催する「CLUBRZミーティングinスバルドライビングデイ」にて、CLUBRZ号に装着しているので是非試乗して、今回のレポートとの擦り合わせをしてみてほしい。

(文/河口まなぶ 写真/宮越孝政)

最新のXV HYBRIDを北海道で堪能できる!「EyeSightで行く 恋するドライブキャンペーン」

2013年7月5日

スバル初のハイブリッドとして注目の集まるXV ハイブリッド。この発売して間もない最新のXV ハイブリッドを北海道で満喫できるキャンペーンが、「EyeSightで行く 恋するドライブキャンペーン」だ。

ニッポンレンタカー北海道が実施しているこのキャンペーンではBS朝日で放送中の「EyeSight presents 恋するドライブ」とコラボレーション。

愉しく安全なEyeSight装着車を通常基本料金より最大20%OFFとなる特別割引料金でレンタルできるほか、オリジナルロードマップ・特典ブックのプレゼントも用意される。さらに利用者の中から抽選で30名様に北海道の味覚をプレゼント。

今回新たに対象となるXV ハイブリッドはアイサイトが装着された最上級モデルのHYBRID 2.0i-L EyeSight。普段ディーラーでの試乗ではなかなか体験することのできないロングドライブや高速道路でのエコクルーズコントロールなどを体験できる絶好のチャンスだ!

特に長距離移動になりがちな北海道のドライブでは燃費の良いハイブリッドと、運転の疲労を軽減してくれるアイサイトの全車速追従クルーズコントロールは頼もしい存在だ。

キャンペーンでレンタルできるEyeSight装着車はXV ハイブリッドのほかに、インプレッサ G4 EyeSight、レガシィ 2.5i EyeSight、レガシィアウトバック2.5i EyeSight、フォレスター2.0i-L EyeSight、エクシーガ2.5i EyeSightの計6車種。

キャンペーンの実施期間は2013年10月14日(月)まで。今年の夏はアイサイト装着車で北海道の広大な大地を満喫してみてはいかがだろう?

EyeSightで行く 恋するドライブキャンペーン:http://www.nrh.co.jp/pre/es2013.html

「現行スバル車に搭載されるBOXERエンジン全タイプ紹介」

2013年7月1日

■BRZを語る上で欠かせないのが水平対向エンジン。開発の早い段階で、水平対向エンジンの搭載が決定したことは、BRZファンの皆さんならご存知の方も多いと思う。

■BRZに限らずスバル車の代名詞ともいえる水平対向エンジンは、軽量、コンパクト、優れた回転バランス、高剛性が特徴だ。

■BOXER(ボクサー)の愛称を持つスバルの水平対向エンジンの歴史は1966年に登場したスバル1000に搭載されたEA52型が起源である。 以後40年以上にわたりスバルは水平対向エンジンを採用し続けてきた。

■BRZをはじめ、ほとんどのスバル車に採用されるBOXERエンジンはいったい何タイプあるのか?今回はスバルの現行モデルに搭載される全てのBOXERエンジンを紹介しよう。


■FA20 DOHC 16バルブ DUAL AVCS 直噴(D4-S) 排気量:1998cc ボア×ストローク:86mm×86mm 圧縮比:12.5
搭載車種:BRZ 燃料:無鉛プレミアムガソリン
最高出力:147kW(200PS)/7,000rpm 最大トルク:205N·m(20.9kgf·m)/6,400 – 6,600rpm

BRZファンの皆さんにはお馴染みのFA20エンジン。BRZ専用となるFA20にはトヨタの直噴技術D4-Sを採用し高出力化と環境性能の両立を実現した。 ベースはインプレッサなどに搭載されているFB20だが、共通部品はほとんどない。BRZへ搭載するためにエンジン本体も全高を抑え、FB20と比較して84mmも薄く設計されている。また、BRZには過給機を搭載しないため、高回転・高出力化のために吸気レイアウトを変更。他のBOXERエンジンが吸気経路をエンジンルームを半周し、バルクヘッド側から吸気するのに対し、BRZ用のFA20ではオルタネーターの位置を変更するなどして前方吸気レイアウトを実現。圧力損失の低減に大きく貢献している。

■FA20 DIT DOHC 16バルブ DUAL AVCS 直噴(筒内噴射) 排気量:1998cc ボア×ストローク:86mm×86mm 圧縮比:10.6
搭載車種:レガシィB4/ツーリングワゴン 2.0GT DIT系 フォレスター2.0XT系  燃料:無鉛プレミアムガソリン
レガシィ用:最高出力221kW(300PS)/5,600rpm 最大トルク:400N·m(40.8kgf·m)/2,000 – 4,800rpm
フォレスター用:最高出力206kW(280PS)/5,700rpm 最大トルク:350N·m(35.7kgf·m)/2,000 – 5,600rpm

形式こそBRZ用のFA20と同じだが、共通しているのはボア×ストロークとクランクシャフト、ヘッド周りの細かい部品程度で、その他はまったくの別物といってもいい。FA20 DITも直噴エンジンとなっているが、方式はD4-Sではなくスバル独自の筒内噴射システムを採用。この直噴システムでは、燃焼室内に吸気した混合気を縦渦流(タンブル)させるために、TGV(タンブルジェネレーテッドバルブ)と隔壁付吸気ポート、タンブル指向吸気ポートが採用されているのがトピックである。TGVは低回転域でも積極的に縦渦流を発生させるためのバルブを備え、燃焼効率を上げている。高回転型の自然吸気エンジンであるBRZ用に対し、FA20DITは過給器を備えることで低回転からパワーとトルクを絞り出す仕様となっている。吸気レイアウトはタービンとインタークーラー設置の関係で従来同様の後方吸気レイアウトとなっているのもBRZ用のFA20とは大きく異なる点だ。ちなみにフォレスターのXT系にも搭載されているFA20だが、こちらはSUVであるフォレスターのキャラクターにあわせ、最高出力は280psに抑えてある。

■FB20A DOHC 16バルブDUAL AVCS 排気量:1995cc ボア×ストローク: 78.8 mm×82.0mm 圧縮比:10.5
搭載車種:フォレスター2.0i系 インプレッサG4/SPORT2.0i系 XV 燃料:無鉛レギュラーガソリン
フォレスター用 最高出力:109kW(148PS)/6,200rpm 最大トルク:196N·m(20.0kgf·m)/4,200rpm
インプレッサ・XV用 最高出力:110kW(150PS)/6,200rpm 最大トルク:196N·m(20.0kgf·m)/4,200rpm

現行スバル車の主力となるのがFB型エンジン。そのなかでも新世代BOXER第一弾として登場したのが2.0LのFB20A型エンジンだ。ちなみにFB型エンジンのFはFHI(富士重工業)のFやFutureのF、BはBrandNewやBOXERのBの頭文字をとって名付けられ、これからの主力となるエンジンとなる意味を込めて名付けられたそうだ。先代フォレスターから採用されたFB20エンジンは従来のBOXERエンジンと比べ、ロングストローク化し、燃費性能と中低速のトルク向上を図っていることが特徴だ。 これまでのEJ型と比較してボア径を92φから84φに小型化。燃焼室の形状もコンパクトな形状へ変更されている。バルブ駆動もカムシャフト配置の自由度を上げるために直打式からロッカーアーム式となり、バルブ挟み角を41度から27度へ狭角化。吸気バルブと排気バルブの間隔を126mmから104mmへと狭め、コンパクトなシリンダーヘッド形状とすることで、ストローク量を75mmから90mmとロングストローク化することに成功した。また従来のEJエンジンではカムシャフト駆動にタイミングベルトを使用していたが、FB20エンジンではEZ型と同様にタイミングチェーンを使用することでメンテナンスフリーとしているのもトピックだ。

■FB20W DOHC 16バルブDUAL AVCS 排気量:1995cc ボア×ストローク: 78.8 mm×82.0mm 圧縮比:10.8
搭載車種:XV HYBRID 燃料:無鉛レギュラーガソリン
最高出力:110kW(150PS)/6,000rpm 最大トルク:196N·m(20.0kgf·m)/4,200rpm

スバル初のハイブリッド車となるXV ハイブリッドに搭載されるのがFB20W。FB20Aをベースに、さらなる低燃費を実現させるために高圧縮比化されているのが特徴だ。吸気レイアウトも後方吸気となる点はベースエンジンから変更はないが、吸気性能を確保しつつコンパクト化させるために、より直線的なレイアウトに変更されている。ハイブリッド専用装備としてISG(インテグレーテッド・スタータ・ジェネレータ)をスバル初搭載。ISGを搭載することで通常発電機能に加えてEV走行からベルト駆動による再始動を可能にしている。またISGの搭載に伴い、DAT(デカップリング・オルタネータ・テンショナー)を装備しスタータ始動時とISG始動時のベルトテンションを調整し、両方の始動に対応している。他にも低フリクションピストンリングや大型EGR(排気ガス再循環)クーラを採用し、燃費向上が図られている。

■FB25 DOHC16バルブ  AVCS 排気量:2498cc ボア×ストローク:94.0 mm×90.0mm 圧縮比:10.0
搭載車種:レガシィ B4/ツーリングワゴン/アウトバック 2.5i系 エクシーガ2.5i系 燃料:無鉛レギュラーガソリン
最高出力:127kW(173PS)/5,600rpm 最大トルク:235N·m(24.0kgf·m)/4,100rpm

FB20の2.5L版として登場したFB25は、ローラーロッカーアームによる狭角バルブ挟み角によるコンパクト・ペントルーフ型燃焼室や他の新世代BOXER同様チェーンによるカムシャフト駆動、ピストンやコンロッドの軽量化などが施され低フリクション設計がされているのが特徴だ。 可変バルブタイミング機構のAVCSは吸気側のみのシングルAVCSとなっている。扱いやすさ、実用燃費を重視した低回転型エンジンでアイドリングストップ機構も装備されている。

■FB16 DOHC 16バルブDUAL AVCS  排気量:1,599cc ボア×ストローク: 78.8 mm×82.0mm 圧縮比:10.5
搭載車種:インプレッサG4/SPORT 1.6i系 燃料:無鉛レギュラーガソリン
最高出力:85kW(115PS)/5,600rpm 最大トルク:148N·m(15.1kgf·m)/4,000rpm

BOXERエンジンのなかで最も小排気量となるFB16。従来の1.5Lエンジンにかわり、インプレッサのベーシックモデルを担うエンジンである。 機構や構造は2.0LエンジンのFB20と同様、吸排気に可変バルブタイミング機構を備えるDUAL AVCSを搭載している。新世代BOXERの高いポテンシャルに加え、「リニアトロニックCVT」と組み合わせることにより、1.5Lレベルの燃費性能と2.0Lレベルの動力性能を実現しており、 街中での扱いやすさが大幅に向上しているのが特徴である。従来モデルのEL15エンジン搭載車では登坂路などでの非力さが否めなかったが100CCの排気量アップと、DUAL AVCSの採用などで各部が進化したFB16ではそうした面も大幅に改善している。

■EJ205 DOHC 16バルブAVCS  インタークーラー付ターボ 排気量:1994cc ボア×ストローク:92.0mm×75.0mm 圧縮比:9.0
搭載車種:エクシーガ2.0GT系 燃料:無鉛プレミアムガソリン
最高出力:165kw(225ps)/5600rpm 最大トルク:326N・m(33.2kg-m)/4400rpm

エクシーガ2.0GT系に搭載されるのはDOHC インタークーラー付ターボのEJ20型。EJ20型エンジンは初代レガシィに初搭載され、以来進化と熟成を重ねながら20年以上にわたり製造されてきたエンジンだ。EJ20シリーズの中でも熟成期に設計されたEJ205は先代フォレスターXT系に搭載されていたエンジンと同一だが、多人数乗車の7シーター用として吸排気系の最適化や新開発ターボチャージャーの採用により、低回転域から高トルクを発生させる仕様となっている。また、2次エアシステムに加え、排出ガス浄化性能を向上させた新型触媒を採用した環境対応ターボがコンセプトだ。エキゾーストマニフォールドは不等長タイプとなっており、昔ながらのドコドコというBOXERサウンドを奏でるのが特徴。古くからのスバリストのなかにはこのサウンドに酔いしれるファンも多いが、現在ではエクシーガ用のEJ205とWRX  STI A-Line用のEJ257でしか味わうことができないことからも貴重な存在といえる。

■EJ207 DOHC 16バルブ DUAL AVCS インタークーラー付ツインスクロールターボ 排気量:1994cc ボア×ストローク:92.0mm×75.0mm
圧縮比:8.0 搭載車種:WRX STI MTモデル 燃料:無鉛プレミアムガソリン
WRX STI 最高出力:227kW(308ps)/6400rpm 最大トルク:422N・m(43.0kg-m)/4400rpm
WRX STI specC 最高出力:227kW(308ps)/6400rpm 最大トルク:430N・m(43.8kg-m)/3200rpm

スバルのスポーツユニットのトップに君臨するのがWRX STI系に搭載されるEJ207。初代インプレッサWRX STI Versionの後期モデル(F・G型)から搭載され、2代目インプレッサWRX STI、現行型WRX STIへと、採用されてきた信頼のエンジンだ。EJ207は登場以来AVCSの採用や、等長等爆エキゾースト、電子制御スロットル、ツインスクロールターボの採用と、常に進化を続けてきた。エンジン形式こそ変わらないものの、最高出力も280psから308psへと実に28psも向上している。歴代WRX STIはラリーをはじめとしたモータースポーツへの参戦も考慮しているため耐久性の高いエンジンが要求される。ニュルブルクリンク24時間レースに参戦しているWRX STIもこのEJ207エンジンを搭載し、ほぼノーマル状態で戦っていることからも信頼性の高さは実証済みだ。現行型WRX STIには競技参戦向けの軽量モデルspecCが存在するが、specC専用ECUの採用で最大トルクが向上され、より低回転から発生するように変更されている。他にもボールベアリングターボやインタークーラーウォータースプレーの採用で、より戦闘力を高めている。2.0Lで300psを超えるスペックを持つEJ207はEJ20型の最終進化系として新世代BOXERが登場した現在もスバル車の中で最強のスペックを誇る。

■EJ257 DOHC 16バルブ DUAL AVCS インタークーラー付ターボ 排気量:2457cc ボア×ストローク:99.5mm×79.0mm
圧縮比:8.2 搭載車種:WRX STI A-Line 燃料:無鉛プレミアムガソリン
最高出力221kw(300ps)/6,200rpm、最大トルク350N・m(35.7kgf·m)/2,800~6,000rpm

大人のWRXとして人気の高いWRX STI A-Lineに搭載されるのは2.5LのEJ257。2800rpmという低い回転数から最大トルクを発生するEJ257はゆったりしたクルージングからアグレッシブな走りまでカバーするA-Lineのキャラクターにマッチしたエンジンだ。国内ではATとの組み合わせのみとなるが、輸出仕様のWRX STIはMTモデルでもEJ257が搭載される。WRXの名に恥じないパワフルさと低回転から発生するフラットトルクが魅力のエンジンだ。EJ257は2006年と2008年の2度に渡り「インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー」」で2.0L~2.5L部門賞で1位を獲得しており、名機としての呼び声も高い。

■EZ36 DOHC  24バルブ DUAL AVCS 排気量:3629cc ボア×ストローク:92.0mm×91.0mm 圧縮比:10.5
搭載車種:レガシィアウトバック 3.6R EyeSight 燃料:無鉛レギュラーガソリン
最高出力:191kw(260ps)/6000rpm 最大トルク:335N・m(34.2kgf·m)/4400rpm

スバル唯一の6気筒かつ、もっとも排気量の大きいエンジンがEZ36だ。3代目レガシィ ランカスター6(現在のアウトバックに位置するモデル)からスバルのフラッグシップエンジンとして君臨してきたEZ30をベースに、改良を施したものがEZ36である。ベースとなるEZ30のボアストロークを拡大し、600ccの排気量アップをしたほか、エンジン冷却水路やカムチェーンの取り回しなども変更され中低速域のパワーを向上させているのが特徴だ。理論上、完全バランスと呼ばれる水平対向6気筒エンジンは2次振動以下の慣性振動が発生しないといわれている。直列6気筒エンジンや、V型12気筒エンジンも完全バランスと呼ばれているが、今や国内用の国産エンジンで完全バランスのエンジンはこのEZ36とトヨタの1GZ-FEエンジンのみであり、大変貴重な存在といえる。EZ36は、ターボとは違った、BOXER6のスムーズで自然なフィーリングを愉しめる味わい深いエンジンといえるのではないだろうか。

■EE20 DOHC 16バルブ インタークーラー付可変ノズルターボ 排気量:1998cc ボア×ストローク:86mm×86mm 圧縮比:16.3
搭載車種:レガシィツーリングワゴン2.0D系 アウトバック2.0D XV2.0D系 フォレスター2.0D系 ※いずれも輸出専用車 燃料:軽油
最高出力:110kw(150PS)/3,600rpm 最大トルク:350N・m(35.7kgf·m)/1,800 – 2,400rpm

世界初で世界唯一の水平対向ディーゼルエンジンであるEE20は、スバル初のディーゼルエンジンでもある。このEE20は輸出仕様にのみ搭載される。水平対向エンジンは構造上1次振動が発生しないため、他のディーゼルエンジンで振動を抑えるために必要なバランサーシャフトを必要としないことが特徴だ。BRZ用のFA20エンジンは兄弟車のトヨタ86にちなみボア×ストローク86mm×86mmのスクエアストロークとなっていることが話題となったが、実はスバル初の86mm×86mmのボア×ストロークを持つのは、このEE20である。製造工程においては、6気筒エンジンのEZ36とボアピッチやバルブトレーン、コンロッドの組み付け方法などの共通点が多いため、同じラインを流れる。現在はヨーロッパにおける排ガス規制EURO5に対応しているが、日本国内の排ガス規制に対応していないため今後国内の排ガス規制に対応した水平対向ディーゼルの登場に期待する声も多い。

スバルの水平対向エンジンは4気筒1.6Lから6気筒3.6Lまで幅広くラインナップされている。現在のラインナップは第2世代のEJ系から第3世代のFB、FA系へと移行しつつある。名機と呼ばれるEJ系が姿を消す日はそう遠くないのかもしれない。しかし、BRZに搭載されているFA20は早くも名機としての呼び声も高く、EJ系にかわりスバルのスポーツユニットの一角を担うに相応しいエンジンだ。今後は新世代エンジンがどのように成長し、どのようなラインナップとなっていくのか目が離せない。

(Text by 井元 貴幸)